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大量採用時代、若手育成が急務
大量採用時代、現場が若手で溢れかえる時代がもう目の前です。(既にそうかも)
新人の私を早く1人前にするためか、初任〜2年次の頃は多くの先生方が私を育てようとしてくれました。
「分からないことがあったらなんでも聞いてね!」
「一緒に授業考えようね!」
「指導案も模擬授業もいつでも見るから!」
多忙故に新人がほとんど放置される学校もある中、若手育成に熱心な先生たちが多い学校だなあと思いました。
しかし、その善意が時に重荷に感じ、私にとっては指導が辛いものになってしまいましたので、そのことについてお話していきたいと思います。
事前研(指導案検討、模擬授業)が辛い
夜遅くまで続くゴールのない事前研
「ぽん先生、研究授業が近いから次のみんなで模擬授業見てあげるよ!」
初任の頃、こんな言葉をよくかけてもらっていました。
初めこそ「ありがたいなあ」と思っていましたが、回数を重ねるごとにだんだん憂鬱で辛いものになっていきました。
なぜなら、こう言う検討会って「三人寄って文殊の知恵」ではなく「船頭多くして船山に上る」パターンになりがちなのです。
研究主任の先生、学年団の先生3人、初任者指導の先生が、
「どうしようねえ」
「こうしたら?」
「こっちもいいんじゃない?」
ああでもないこうでもないと話しているうちに気づいたら22:00…
恐らく、20:00過ぎたくらいから頭は正常に全く働かなくなっているでしょう。
「早く帰りたい…寝たい…このまま話しても結論なんて出ない…辛い…」
でも、みんなが自分の仕事を後回しにして私のために集まってくれているんです。
「帰りましょう」なんて言いづらいですよね。
結局、「こんなに時間かけたんだから大丈夫でしょ!」という結論になり、
事後研でも「遅くまで残って検討し、頑張っていました。」とかけた時間を評価される始末…
今考えるとこうして欲しかった
・ベテランの先生が模擬授業をして模範を見せて欲しかった。
・1から一緒に考えて欲しいわけではなく、私の案に助言をして欲しかった。
・多くの時間をかけることに価値を見出さないで欲しかった。
研究授業の指導案をひっくり返されるのが辛い
当日まで終わらない指導案検討
上記の検討会で出された意見も取り入れながら再考に再考を重ねやっとできた指導案…
「やっぱりこうした方がいいよね?」
ベテラン教員の思いつきの一言で、ひっくり返ります。
今までかけてきた時間はパーです。辛いです。
休日1日かけて指導案検討をしてもらった次の日の朝に電話で、
「昨日はああいう方向になったけど、本でこんな実践を見つけて〜…やっぱりこっちにしない?」
なんて言われたこともありました。
時間はいっぱいかけたけど…
結局、本番前になんとか仕上がった指導案で授業をし、撃沈。
最初に考えていた方がよかったかも…なんて後悔もしながら事後研を迎えるのです。
そして、「何回も書き直して頑張っていた。」と、またかけた時間を評価されるのでした…
今考えるとこうして欲しかった
・ベテラン先生が過去に書いた指導案を見せて欲しかった。
・指導案を後からひっくり返すくらいなら、書く前の段階で助言をして欲しかった。
休日に呼び出されて指導されるのが辛い
休日にも関わらず携帯に着信
休日に買い物をしていると、校長から怒りの電話がかかってきました。
「全クラスの机の中を抜き打ちチェックした。ぽん先生のクラスだけ置き勉をしている!どういうことか説明に来なさい!」
とのことでした。
私は「必要なものだけ持って帰りなさい」という指導をしていたので、机の中に教科書やノートを置いたまま帰っている子が大半だったのです。
やむなく休日出勤し、校長から指導を受ける
学校に着くと学年団全員揃っており、校長から
「このままではぽん先生のクラスだけ規律が乱れる」
「置き勉は学級崩壊の始まり」
「ちゃんと持って帰らせるように指導しなさい」
「ぽん先生の学級経営を学年団みんなで助けよう!」
と指導されました。
結果、翌日の月曜日に学年団の先生たちが私のクラスに入り、机の中身チェック&置き勉は今後一切禁止であるとのルールを説明し、改革されたのでした。
(この次の年には重すぎるランドセル問題などが報道され、勤務校にも置き勉容認の流れが来ました)
今考えるとこうして欲しかった
・休日呼び出すくらいなら年度始めにルールを統一して欲しかった。
【番外編】「黒板アートがない」と指導されるのが辛い
最近、黒板アートが話題になっていますよね。
マジすげぇ
先生最高すぎかよ#鬼滅の刃 #黒板アート pic.twitter.com/e0wLppMPfK— けい (@k8_1t) March 1, 2020
卒業式に向けて描きました#黒板アート#天気の子 pic.twitter.com/Fx0fYVDa2V
— NM (@nm______) February 25, 2020
ぽん
これはもう笑い話なんですけど、
冬休み最終日の休日に、
「君のクラスには黒板アートがない!新学期は黒板を飾って子どもを新鮮な気持ちにさせてあげるものだ!学校に来て子どもを迎える準備をしなさい!」
とカンカンの校長から電話が来たことがありました。
当時は7:20には出勤をしていたので、当日の朝に
「冬休みはどうでしたか?今日から3学期です。頑張りましょうね。」
くらいの簡単なメッセージを書くつもりでした。
しかし、校長先生は、「土日に来て時間をかけた黒板アートを作ることで、子どもたちを喜ばせ、3学期のいいスタートが切れる。」と考えていたようです。
私が最後の学期を失敗しないように助言してくれたそうです。
インスタ映えするような黒板アート、未だに作ったことがないです。(というか作れません)
今考えるとこうして欲しかった
・ちゃんと当日の朝にメッセージを書くから休日に呼び出さないで欲しかった。
最後に
「あなたのためを思って」という善意は時にひどく重荷になります。
特に指導という名目で遅くまで拘束したり、休日に呼び出したりすることだけはやめてあげてください。
睡眠時間も確保できず、休みの日も学校のことで頭がいっぱい…本当に辛いです。
本当に若手のことを思うなら、少ない労力で大きい成果が出るような方法を教えてあげてください。
「私だったらこう授業する」という模擬授業を見せてあげたり、過去に作った指導案をあげたりするだけで、若手は助かります。
そして、若手の頭の中を学校でいっぱいにするのではなく、仕事とプライベートのオンオフを切り替える方法を教えてあげてください。
責任感が強い先生、研究熱心な先生、あなたたちの善意が若手を疲弊させていないか、考えてみてください。